広告プラットフォームのAIは「審判兼プレイヤー」である——PF値 vs GA4、数字が合わない本当の理由

広告プラットフォームのAIは「審判兼プレイヤー」である——PF値 vs GA4、数字が合わない本当の理由

前回の記事で、広告代理店が「チャネル単位の最適化」しか語れない構造的理由を解剖した。今回は、そのチャネルが報告してくる数字そのものが、なぜ信用できないのかを構造から明らかにする。

Google広告の管理画面には「50件のコンバージョン」と表示されている。Meta広告も「35件」と主張する。ところがGA4を開くと「42件」。そしてCRMの実売上を数えると——38件。足し算が合わない。広告運用の現場で、この「数字の不一致」に困惑した経験がない担当者はおそらくいない。

審判がプレイヤーを兼ねている試合で、スコアを信じる観客がいるだろうか

広告プラットフォーム(PF)の管理画面とGA4の数字が一致しないのは、バグでも設定ミスでもない。PFは「どの広告が効いたか」を測り、自社タッチポイントのみを評価する。GA4は「ユーザーがサイト上でどう動いたか」を全チャネル横断で分析する。同じゴールを、まったく異なる角度から数えている。

だが本当の問題はここからだ。各媒体のコンバージョンを単純に合計すると、実売上の2〜3倍の数字が出る。広告を売っている側が、同時にその広告の「効果」を計測して報告している。審判がプレイヤーを兼ねている試合で、スコアを信じる観客がいるだろうか——。

そしてP-MAXやAdvantage+のAIが、このバイアスをさらにブラックボックスの中で加速させている。



以下では、各媒体CVの合計が実売上の2〜3倍になる「ダブルカウント」の構造、P-MAXやAdvantage+のAIがバイアスをさらに加速させるメカニズム、そしてPF管理画面に代わる意思決定基準「エビデンスの階層化」フレームワークを解説しています。

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和泉 裕臣

和泉 裕臣

株式会社SINGULIER 代表取締役 CEO / CTO / CMO / 社内哲学者

早稲田大学大学院(哲学専攻)出身。「マーケティングなきエンジニアリングは独善、エンジニアリングなきマーケティングは空論」の哲学のもと、月間流通額数十億円規模のシステム構築や、1,000万PV/day超のアドテク基盤におけるアーキテクト実績を持つ。自然言語処理(NLP)および生成AIモデルの開発責任者としてプロジェクトを主導。

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